防災三昧 by 地震前兆ラボ - 地震前兆研究家の百瀬直也による地震予知・予測・防災情報

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地震前兆百科:水中・水辺の動物:クジラ・イルカ

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この項では、クジラとイルカの両方を扱うが、理由としては、イルカは哺乳綱鯨偶蹄目クジラ類ハクジラ亜目に属する種の内で比較的小型の種の総称であり、クジラとイルカは生物分類上で明確な違いがないことによる。特に海溝型の大地震の前にクジラとイルカの異常行動が見られるケースは非常に多い。

【目次】

 

クジラとイルカについて

クジラ(鯨)は哺乳類のクジラ目に属する水生動物の総称で、形態からハクジラとヒゲクジラに大別される。
ハクジラの中でも比較的小型(体長4m前後以下)の種類をイルカと呼ぶことが多い。
だが、この区別は分類上では明確なものではない。


そのため、本項ではクジラとイルカを区別せずに扱うことにする。

クジラ・イルカの座礁

以降で詳しく紹介するが、大地震が発生する前に、クジラやイルカが海岸に座礁する例が非常に多い。
座礁してしまう原因については、いくつかの説がある。
そのうちで、地磁気との関連で説明するものがある。


1980年には、イルカの頭に磁気物質が発見された。
イルカをはじめとするクジラ類の脳には磁気を感じる物質が存在していて、鳥類と同様に磁気を利用して移動している可能性がある。
太陽の活動に伴う磁場の変化によって磁場強度が強まる現象と関係があるのではないかという説もある。

昭和南海地震(1946年)

昭和21年12月21日に発生した昭和南海地震(M8.1)では、地震発生直前に、高知市三里(現在の高知市仁井田)の海岸にイルカが多数出現した。
(『魚の地震予知」』

新潟地震(1964年)

昭和39年(1964年)6月16日に発生した新潟地震(M7.5)の2時間前に、震央海域から富山方面へイルカの大群が移動した。
(『魚の地震予知」』

阪神・淡路大震災(1994年)

平成7年(1995年)1月17日の阪神・淡路大震災(M7.3)の時には、その1ヶ月ほど前に相模湾にマッコウクジラ20頭が打ち上げられた。


地震の前日には、須磨水族館のイルカが勝手にジャンプし、床に上がったという。
「前兆証言1519!」では、他の報告も数件見られる。


地震の4日前に須磨水族館では、イルカショーでイルカが非常に神経質そうに乱暴に振舞っているように見えた。
演技中に2頭が水中でぶつかり合ったり噛み合ったりし、多くの観客がいつも以上に水に濡れた。
前日にも同じ須磨水族館のイルカショーで、ショーが終わった3頭が水槽に引っ込まず、いつまでも泳いでいた。

カンタベリー地震(2011年)

東日本大震災の前月の2011年2月22日にニュージーランドで発生したカンタベリー地震(M6.1)の2日前に、ニュージーランドのスチュワート島にクジラが107頭も打ち上げられていた。

東日本大震災(2011年)

東日本大震災の前にも、クジラが打ち上げられている。
地震の1週間前の2011年3月4日夜、茨城県鹿嶋市の下津海岸で、イルカ(カズハゴンドウ)52頭が打ち上げられていたのが発見された。
地元住民や同市職員らが救出活動にあたったが、既に半数以上が息絶えていたという。


東北地方太平洋沖地震の規模(M9.0)と震源までの距離を考えても、1週間前ということで、地震前兆だった可能性は十分にあるだろう。

熊本地震(2016年)

2016年4月16日に発生した熊本地震(M7.3、最大震度7)の8日前の4月8日に、長崎市大籠町の砂浜にザトウクジラが打ち上げられていた。
12日前の4月4日には、熊本県天草市志柿町の上島沖の定置網に同じくザトウクジラがかかっていた。

北海道胆振東部地震(2018年)

2018年9月6日3時7分に北海道胆振地方中東部を震源として、M6.7、最大震度7、震源の深さ37kmの直下型地震が発生した。


「ストランディングネットワーク北海道」というWebサイトがあり、クジラやイルカのストランディングの事例が集められている。
(ストランディング:イルカやクジラなどの海生哺乳類が陸地に打ち揚げられたり、浅瀬や湾に迷い込んで身動きがとれない状態になること)
2018年8月下旬から地震発生前までの北海道のストランディング事例を見て、発見場所を書き込んだのが下記のマップだ。


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イルカ・クジラの発見地点は、もっとも近いところでも50~60kmほど離れていた。
最遠の地点は、震源から120kmほどだった。
見つかった日時を見ると、もっとも古い例で地震の約2週間前の8/23、もっとも新しい例では2日前だった。
9月の4例は、いずれも震源から60km以内の比較的近距離だったことも興味深い。


これらの座礁例のほとんどは、北海道胆振東部地震の前兆だった可能性があると思われる。
各々のデータなどは、下記の探求三昧ブログの記事で書いている。


まとめ

このように、クジラやイルカが座礁するケースでは、その後に近隣で海溝型の大地震が起きることが非常に多い。
遠洋の海上で生きるクジラは、人間の目に触れる機会が少ないために、異常行動の目撃例も、こうした海岸に打ち上げられるニュースの形で知られることが多くなると考えられる。




ラドン濃度グラフ:札幌観測点
ラドン濃度グラフ:市川観測点
ラドン濃度グラフ:大阪東部観測点
ラドン濃度グラフ:広島観測点
『RadGraph - 大気中ラドン濃度グラフ集』より


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