防災三昧 by 地震前兆ラボ - 地震前兆研究家の百瀬直也による地震予知・予測・防災情報

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地震前兆百科:陸上の動物:ネコ目:クマ

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クマ(熊)は、哺乳綱ネコ目クマ科の動物の総称だ。
日常的にクマを見かける機会は滅多にない。だが、クマが人里に現れればニュースで報道され、私たちの知るところとなる。

【目次】

 

クマの習性

大きな地震が多発するカムチャッカ半島では、「クマが冬ごもりの穴から抜け出す」と地震があるという言い伝えがある。
私も以前から、冬眠中のクマの出没が頻繁にニュースになる時には、地震と関係あるのだろうかと考えていた。
 

高田榮一氏の講演「クマと地震」

詩人でヘビ研究家としても知られた高田榮一氏が、2005年6月に「クマと地震」と題して講演を行っている。
高田氏によれば、2004年には日本の日本海側で広域にクマの出没が多発したという。


この年には例年のような「目撃」だけに終わらず、「遭遇」するケースが目立った。
つまり、クマが人間を襲うなどの接触例が多かった。
専門家たちは、この年に多発した台風と豪雨により、餌となる木の実が不足したために里に降りてきたのではないかと考えた。


本当にそれだけの理由だろうかと、高田氏は疑問をもった。
この年のクマ出没の特徴は、以下のようになるという。

1.すべて日本海側で起こっている
2.遭遇頻度が高い
3.攻撃被害が重なる
4.仔連れが目立つ

 

クマ出没と大地震発生に相関関係

これらの特徴から、高田氏は地震と関係があるのではないかと考えた。
仔連れで人に接近することは、野生動物では考えられない。


高田氏は著書「爬虫類の超能力」で、動物の地震予知能力について言及していた。
地下水中のラドン含有量の異常な変化、地電流・電位差の変化、気象異常、その他の地球物理学的変化などが、動物の代謝や生理機能などに影響し、異常行動となるのではないかという。


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2004年のクマ出没で地震を予感していたところへ、新潟県で大地震が起きた。
2004年10月23日17時56分に発生した新潟県中越地震だ。
このM6.8の直下型地震は、犠牲者68人、重軽傷者約480人、住宅全半壊約17,000棟という大きな被害地震となった。


ネット上で、この地震の直前の2004年10月4日時点でのクマ出没分布地図を見つけた。
これを見ると、出没地点はたしかに日本海側が多く、この地震の震源を中心として収束するように分布していた。
やはり高田氏の予感は当たっていたということだろうか。

新潟県中越地震の直前にも多発

インターネット上で、「クマ出没最新情報」というページを見つけた。
そこには、新潟県中越地震の直前の2004年10月4日時点での、クマ出没マップがあった。
これを見ると、クマの出没はたしかに日本海側に多く、新潟県の周囲に集中している。
長野県、富山県などの17の県で起き、1人が亡くなり、67人が怪我をしたという。
犠牲者・負傷者数は前年の47人から45%増えたとある。
やはり、この年は多かったようだ。

東日本大震災の前のクマ出没

では、2011年3月11日の東日本大震災の前には、クマの出没はどうだったのか。
2010年12月16日に書かれた「2010年クマ出没状況」というwebページがある。
岩手・秋田・山形の東北3県のクマ出没状況をまとめたものだ。
これによると、2010年10月にクマ出没が増加したとある。


2004年は北陸を中心に大量出没があったというが、これはやはり同年10月の新潟県中越地震の前兆だったのか。
2010年は関東甲信越で大量出没が目立つという。
東北は大量かどうか微妙ともある。


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だが、別の情報もある。福岡大学の福原達人准教授による「大型哺乳類の捕獲数など(統計)」というページだ。
これを見ると、ツキノワグマは2006年に次いで2010年が2番めに多い駆除数だった。
だが、ツキノワグマによる犠牲者・負傷者数は、2006年と2010年がほぼ同数でトップとなっている。
これは、東日本大震災の前兆だったのだろうか。
データ数が十分とはいえないので、どちらとも言えないところだ。

岩手県沿岸南部の地震(2014)

2014年5月24日には、岩手県一関市地主町の路上で、親子と見られるクマ2頭を通行人が見かけた。
その後子グマ1頭が射殺されたが、ツキノワグマのメスだった。
それから15日後の2014年6月8日14時24分頃、岩手県沿岸南部でM5.2、最大震度4、深さ約70Kmの地震があった。一関市では震度3を記録した。
15日前の母子グマ出没は、この地震の前兆だったと思われる。震源からクマ出没地点までの距離は約50Kmだった。

長野県神城断層地震(2014)

2014/11/22に長野県北部で発生した長野県神城断層地震(M6.7、最大震度6弱)の前には、さまざまな動物前兆現象が見られた。
この年の秋には、以下のような地域でクマの出没があった。
長野県(長野市、塩尻市、大町市、安曇野市など)、岐阜県(高山市)、新潟県三条市、栃木県那須町、福井県(福井市、鯖江市)、富山県南砺市、、滋賀県米原市、埼玉県飯能市、神奈川県相模原市など。


一つのケースとしては、2014年10月25日昼前、岐阜県飛騨市の住宅街にクマが出没し、70歳の男性が襲われてけがをした。
また、翌日の2014年10月26日午後8時頃には、埼玉県飯能市永田の民家の庭で、クマが高さ約3メートルの柿の木に登って、柿の実を食べているのを隣家の主婦が目撃した。
熊は体長70~80センチで、山に向かって逃走し、人や農作物への被害はなかった。


上記2件は地震の1ヶ月ほど前だったが、クマの前兆現象としては、あり得ると思う。


下記のGoogle Earthの地図は、2014年秋にクマとイノシシの出没があった地点をにプロットしたもの。
1時間程度でググって見つけたもので、あまり体系的とは言えない。
あくまでも参考までとしてください。
黄緑色の丸印がクマで、オレンジ色がイノシシだ。


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この年の秋は、長野県や岐阜県では特に、クマの主食のドングリが不作であるとされていた。
地震以外に、その要因も検討すべきだろう。
それと地震との相乗効果で、クマやイノシシの出没が相次いだという可能性もあるかもしれない。

まとめ

・仔連れで里に下り、人を攻撃する(数ヶ月~数週間前)
・冬季に冬眠から目覚めて徘徊する。

【参考文献】

地震の確率―ヘビやネズミは知っている! (Nesco books)

地震の確率―ヘビやネズミは知っている! (Nesco books)

前兆証言1519!―阪神淡路大震災1995年1月17日午前5時46分

前兆証言1519!―阪神淡路大震災1995年1月17日午前5時46分

kanda-zatsugaku.com [13]
最新クマ情報 クマ出没情報
http://bigwest.sblo.jp/article/42521300.html
 



ラドン濃度グラフ:札幌観測点
ラドン濃度グラフ:市川観測点
ラドン濃度グラフ:大阪東部観測点
ラドン濃度グラフ:広島観測点
『RadGraph - 大気中ラドン濃度グラフ集』より


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