防災三昧 by 地震前兆ラボ - 地震前兆研究家の百瀬直也による地震予知・予測・防災情報

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地震前兆百科:陸上の動物:ネコ目:ネコ

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ネコ(猫)は、狭義では食肉目ネコ科ネコ属に分類される哺乳類だ。
先祖はヨーロッパヤマネコで、それが家畜化されたものがイエネコとなった。
世界中で多く買われているペットだけあって、イヌと同様に前兆報告は多い。


【目次】

 

ネコの前兆の特徴

麻布大学獣医学部の太田光明教授によると、イヌは飼い主に従順で、地震の前兆を感じたら、飼い主や仲間に異変を知らせようとする。
だが、ネコの場合はイヌほど忠誠心がなく、自由きままでクールなところがあるという。


飼い主を助けたり危険を警告したりと、情深い(?)ように思われるイヌと違って、ネコは個人主義的(個猫主義的?)というか、地震の前に自分だけ逃げてしまうというケースが多く見られる。
あるいは、子供を連れて逃げる例もある。
イヌの例ほど多くの報告がないのは、いなくなるから異常行動があっても人が目にする機会がないということもあるのだろう。

イタリア・フリウリ地震(1976、M6.5)

1976年5月6日のイタリア・フリウリ地震(M6.5)では、普段は数えきれないほどいるネコが、地震発生時には村中で1匹も見かけなくなった。
そして 地震の2~3日後に戻ってきたという。


ある農家では、子供を産んだばかりの飼い猫がいた。
地震の当日に、この母ネコは子猫をくわえて屋根裏部屋から外へ出た。


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別の家では、飼っていた2匹のメス猫がそれぞれ赤ちゃん猫をくわえて庭に出た。
主人が赤ちゃんを家に戻したところ、また子供をくわえて外に出てしまったという。

唐山地震(1976、M7.8)、トルコ・イズミット地震(1999、M7.4)

1976年7月28日の唐山地震(M7.8)では、前夜にある男性が蚊帳を吊って寝ていたところ、飼猫が蚊帳の外から引っ掻いたという。
その数時間後に、地震が発生した。


1999年8月17日のトルコ北西部イズミット地震(M7.4)では、地震の半日前にネコが高い木に登って鳴いていた。

阪神・淡路大震災(1995)

次に、1995年の阪神・淡路大震災の「前兆証言」の報告例を解析してみる。
前述のように、ネコの事例は「獣類」324ケースのうち25%で、194件ほどある。
イヌの場合と異なり、ネコでは「地震の前にいなくなった」というケースが18件と多い。


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地震のどのくらい前にいなくなったかで分類すると、以下のようになる。

◎数時間前:9件
◎1日前:6件
◎2~3日前:2件
◎1週間前:1件


上記のように、地震の数時間前に家からいなくなるケースが最も多い。
これはちょうど、イヌが異常に吠えるのがもっとも多く見られる時間帯と同じだ。
イヌもネコも同じようにパルス電磁波か何かを感じているのかもしれないが、その結果の行動が異なるのだろうか。

その他の地震

2018年6月18日に発生した大阪北部地震(M6.1)では、近畿地方に住む百瀬の知り合いの飼い猫が、地震前に異常な行動を示していた。
地震当日の朝7時頃から、飼い猫がニャアニャアと鳴いて家中を走り回っていて、なぜこんなにハイテンションなのかと当惑していた。


すると、7時58分に大阪府北部(高槻市)を震源とする最大震度6弱の地震が発生した。
地震から2時間ほど経った10時頃には、ネコは元の平常な状態に戻っていたという。


上記で紹介してきた事例のように、飼い猫は大地震の前に失踪することも少なくない。
このネコの場合、家では猫が外に出るためのドアが閉まっていて、たとえ出たくても出られずに、仕方なく家の中を走り回っていたのかもしれない。

ネコとイヌの行動の比較

ネコがいなくなるケースは、飼い猫の場合もあるし、いつも家の外にいる野良猫がいなくなったことに気づく場合もある。
いなくなったというケースを地域別に見てみると、神戸市、明石市、尼崎市、大阪市など、比較的震央に近く大きな被害が出たところが多いかもしれない。


イヌの場合は異常に吠えたというケースが多いが、ネコが異常に鳴いたというも15件ほどあった。
ネコの場合、喧嘩をしたり発情したりする場合も鳴くが、相手がいなくて1匹だけで鳴いていれば、事情が異なるだろう。
イヌと同様に、飼い主ならばやはり何らかの異状を察するかもしれない。


神戸市に住む一人暮らしの老人は、地震の10分前にネコの異様な鳴き声に目を覚まし、着替えをしてトイレへ行っている間に大きな揺れが襲い、障害者でもあったので、寝ていたら家具の下敷きになっていただろうという。
飼い猫に命を助けられたわけだ。


ネコが家の中を走り回っていたというケースも、8件ほどある。
少ない例としては、飼い主に噛み付いた、まとわりついた、外に出たがらない、といった事例もある。


イヌの場合に見られるように、飼い主を起こそうとしたというのもある。
大阪府豊中市で、地震当日の朝5時半に、ヒマラヤンが今まで聞いたことのない大きな声で飼い主を起こそうとして、驚いて目を覚ました。
そのネコは、いつも6時に目覚ましが鳴った時に起こしてくれるのだが、まだ早いとネコを叱りつけ、寝ようとすると、また大きな声で起こそうとする。
そうこうしているうちに、大地震となった。
この場合は、パルス電磁波か何かで異変を察知して、飼い主に知らせようとしていたのだろうか。


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電磁波を用いた実験

TBSの「どうぶつ奇想天外!」というテレビ番組では、パンデグラフ高圧器という機械を使って、ネコの電磁波に対する感受性の実験を行った。
ネコが眠っている隣の部屋で、パンデグラフを運転して電磁パルスを発生させたところ、ネコは目をすぼめ、顔を洗い、やがて悲しげな声を上げて飼い主の靴下をくわえて部屋を出ていった。
ネコは自分に子供がいない場合、代用(?)として他の動物や、最愛の飼い主の臭がする物を持ち出したりするようだ。


ネズミなどと同様に、ネコが洗顔行動を行うのは、目に電流が流れるためと考えられている。
これはごく日常的な行動なので、顔を洗う仕草をしたからといってすぐに地震に結びつくものではない。
その他の行動を観察することが大切だろう。


「猫が顔を洗うと雨」ということわざもあるが、雷の電磁波に反応して顔を洗うこともあるのではないかと、故池谷教授が著書に書いていた。
池谷教授によると、ネコの場合、時速20~30キロで近づいてくる雨雲の雷によって発生する電磁波にも反応している可能性があるという。


2011年の東日本大震災が起きた3月11日の前日には、Twitterでのツイートがある。
新潟中越の人が夕方17時頃にツイートしたものだが、猫が挙動不審で、変な声で鳴いて外に出たがっているという。


とにかく飼い猫の場合、行動を観察しようにも、「家からいなくなってしまう」場合が多い。
だが、そのいなくなる事こそが、重大な宏観異常現象といえるだろう。

まとめ

・異様な声で鳴き家の中を走り回る(2週間~数時間前)
・外で出たがったり、家からいなくなる(1週間~数時間前)
・仔猫を家から連れ出す(数時間前)
・家人を起こそうとしたり知らせようとする(数時間前)

【参考文献】

前兆証言1519!―阪神淡路大震災1995年1月17日午前5時46分

前兆証言1519!―阪神淡路大震災1995年1月17日午前5時46分

【緊急改訂】大地震の前兆 こんな現象が危ない (プレイブックス)

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地震の前、なぜ動物は騒ぐのか―電磁気地震学の誕生 (NHKブックス)

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ラドン濃度グラフ:札幌観測点
ラドン濃度グラフ:市川観測点
ラドン濃度グラフ:大阪東部観測点
ラドン濃度グラフ:広島観測点
『RadGraph - 大気中ラドン濃度グラフ集』より


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