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地震前兆百科:陸上の動物:ネズミ目(げっ歯目):ネズミ

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【目次】


ネズミ(鼠)は、哺乳類ネズミ目の総称で、その種類は1,000を超える。
有史以前から、人間が収穫した穀物を盗む害獣とされてきた。
人間と共存しているネズミについては、地震前兆のエピソードが非常に多い。
古代ギリシャの地方都市ヘリケがBC373年に大地震で海中に没した5日前に、ネズミが群れをなして、都市間街道を別の市へと向かって移動した。
 
 

関東大震災(1923年9月1日)の前兆例

1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災(M7.9)では、ネズミの異常行動が多く目撃されている。
ちなみに、この地震震源相模湾北西沖80kmの三浦半島のあたりだった。


故力武常次教授らがまとめた関東大震災の前兆現象調査では、900件以上の報告が集まった。
その中で、動物異常行動に関する報告が232件あったが、その内ネズミに関するものは32例もあった。
あの頃の日本では、木造住宅がネズミにとって快適な住居となっていて、天井裏をネズミが駆けまわる音を聞いていたことなどは、日常茶番事のことだった。
そのため、ある日突然にネズミの音が聞こえなくなると、自然災害か何かの前兆ではないかと逆に不安になってくるのだろう。
実際、そのような報告が多かった。


力武常次著の『地震の確率 ヘビやネズミは知っている』では、この調査結果をまとめた動物の異常行動の表が添付されている。
真っ先に登場するのがネズミの異常行動で、数ページに及んでいる。


関東大震災発生の3~4ヶ月前には、横浜市の横浜港に近い下町で、多数のネズミが道路を横切って移動するのが目撃されている。
2~3ヶ月前に、東京の南葛飾でもネズミの集団移動が見られ、7月には練馬区石神井でもあった。
1ヶ月前から数日前にかけて、ネズミがいなくなったとか、屋根裏で音を聞かなくなったという報告が、東京や神奈川県で多数寄せられた。


屋根裏でネズミが走り回っているというのは、私もずっと過去にさかのぼっていけば経験したことがある。
だが、その頃は地震と結びつけて考えたことなど一度もなかったので、地震前にネズミの音が消えたことがあったかどうかはわからない。
地震発生の当日、東京の食料品店で、この日に限ってネズミ取りの籠に10匹ぐらいも入っていたというケースもあった。

伊豆大島近海地震(1978年1月14日)の前兆例

力武常次教授らは、関東大震災の調査に先立って、1978年1月14日の伊豆大島近海地震(M7.0)の前兆データ収集も行なっている。
地震の確率 ヘビやネズミは知っている』の巻末には、このときのデータも表となって掲載されている。
ここでも、数日前から数時間前にネズミがいなくなったとか逃げ出したという報告も見られる。
民家の屋根裏からいなくはならなかったが、3日前に天井の上ですごい勢いで騒いだという例もあった。

その他の大地震

他の日本の大地震の際にも、ネズミに関する同様の異常行動が多く見られている。
安政2年(1855年)の江戸地震(M6.9)では、3日前頃にネズミが消え失せた。
同年8月31日の奥羽地震(M7.5)の前には、秋田県大山町でネズミとイタチがしきりに走りまわっていたので、住民たちは異変を感じていた。


1993年7月12日に発生した北海道南西沖地震奥尻島地震)はM7.8で、日本海側で発生した地震としては最大規模だった。
震源に近い奥尻島を中心に、火災や津波で大きな被害を出し、202人の犠牲者が出た。
東大地震研究所の阿部勝征教授(地震学)が現地調査をした際に、地震発生の1ヶ月前から、ネズミやヘビの行動に異常が見られたという事実が、住民への聞き取り調査の結果わかった。
漁業を営むある男性によると、6月中旬頃から、背が黒く、体長10センチくらいの見慣れない種類のネズミが家の中や路上に出没するようになった。
あまり数が多いのでネズミ捕りを仕掛け、毎日のように3~5匹ずつ捕らえていた。夜も家の前の路上であちこち這い回っていて、気味が悪かったという。


このネズミは同地区の別の家にも現れ、「10年前の日本海中部地震の時にもネズミが出た」という人もいて、また津波が来るのではないかと近所で噂していたという。
そして、実際にその地区も津波の大きな被害が出た。
ネズミは地震の後は、プッツリと姿を見せなくなった。
阿部教授は、このような宏観現象が奥尻でも起きていたことで、この方面の研究にもっと取り組んでいくことが必要かもしれないと述べている。

阪神・淡路大震災(1995年1月17日)の前兆例を解析

1995年の阪神・淡路大震災の時はどうだっただろうか。
先に書いたように、「前兆証言1519!」では、獣類の報告のうち、ネズミはイヌに次いで多い25%で、80件近くに上る。
よく見られる例としては、民家の天井裏でネズミがものすごく騒いでいたとか、ネズミ捕りにかかるネズミが急増したとか、逆に、いままで天井裏で騒がしくしていたネズミが、急に静かになったというものだ。


この非常に多い報告例を、異常行動の種類によって大雑把に分類してみた。
まず、自宅などでネズミが急増した、または暴れたというケースは24件ほどある。
その逆に、ネズミがいなくなったという例は15件ほどだ。


どのくらい前にその現象が起きたかということで分類してみると、まずネズミが急増した、または暴れたというケースでは、以下のようになる。

  • 1ヶ月~3週間前:3件
  • 1週間前:1件
  • 2~3日前:10件
  • 1日~数時間前:8件


これを見ると、2~3日前に天井裏などでネズミが暴れたとか急増したケースが最も多いようだ。


次に、ネズミがいなくなったというケースでは、以下のようになる。

  • 2週間~1ヶ月前:6件
  • 1週間前:5件
  • 2~3日前:1件
  • 1日~数時間前:2件


このケースでは、2週間から1ヶ月前にネズミがいなくなり、天井裏などが静かになったというケースが多い。

ネズミがいなくなる地域と現れる地域

では、ネズミが急増するのと、いなくなるケースでは、条件的にどのようなことがあるのだろうか。
報告された人々が住んでいる地域を見ると、ネズミがいなくなったという例では、急増したという例よりも、震源に近いところに住んでいた人が目立つように思われる。
15件のうち、洲本市1件、神戸市3件、西宮市2件といったところだ。


これは推測になるが、震央に近いところでは、ネズミたちが強いパルス電磁波に耐え切れず、とにかくどこか他のところへ逃げようとしたケースが多かったのではないか。
その際に、結果的に震源となった地点から遠くへ移動すればするほど、電磁波による体の痛みが軽減することが、経験的にわかったかどうか。


ネズミに限らず他の動物でも、それまでいた動物がある場所からいなくなり、いままでいなかったところに現れるということは、集団で移動した結果なのだろう。


最近の地震の例では、ネット上の地震予知掲示板に書き込まれていた2012年10月10日のものがある。その日の朝に川崎で、側溝から100〜500匹のネズミが出てきて道路を渡って行ったという。
その2週間ほど後の10月25日には、宮城県沖でM5.6の地震があり、石巻市などで最大震度5弱を記録した。
パルス電磁波の最初のピークは、その頃から起きても不思議ではないだろう。

海外の事例

次に、海外の例をいくつか紹介する。
1966年の中国の河北省で、8,100人の犠牲者が出たM7.1の地震があったが、揺れの3~5日前に、穀物倉や農家から多くのネズミが逃げ出し、雪野原をどこへともなく消え失せた。
1975年2月の中国遼寧省の海城地震では、前年12月半ばにネズミが群れをなして現れ、ぼんやりとして人を怖がらなかったという。屋内で一度に20余匹ものネズミを素手で捕まえたという人もいた。


同様の例は、1995年の阪神・淡路大震災の「前兆証言1519!」でも見られる。
大阪府寝屋川市では、地震の前日に、毛を逆立てたネズミが鈍い動作で家の廊下をウロウロしていた。
ネズミは人間を間近に見ても、うずくまったまま逃げようともしなかった。
大阪市では、地震の前夜に小さなネズミが居間の隅にうずくまっていた。
大震災後も小さなネズミが再度部屋にいたので、また地震かと思っていたところへ、その夜に震度4の余震が発生した。


地震前兆を「体感」するという人々(私も含まれると思われるが)は、地震発生前に頭痛などの症状に悩まされることがある。
もしネズミも同様の状態だったならば、俊敏な動作はできないだろうし、混乱状態で的確な判断力を失い、人間がいるところでも出てきてしまうのかもしれない。


1976年5月6日のイタリア・フリウリ地震(M6.5)では、農場でネズミたちが我が物顔で走り回っているのに、5匹の飼い猫がすべて見当たらなかった。
同月1976年5月23日に起きた中国四川省の松藩-平武地震(M7.2)の前には、電柱に張られた電話線の上を混乱した様子でうろうろするネズミの写真が撮られている。
地面の上を歩いていては電流が流れて痛みを感じるため、電柱に登って電流が流れない被覆電線の上に移ったのかもしれない。


故池谷元伺大阪大名誉教授は、ネズミなどの動物に電場をかける実験を行った。
その結果、ネズミたちは毛を立てて膨らみ、洗顔行動を繰り返し、毛づくろい(グルーミング)を行った。
顔を洗うような動作はネコなどの動物もよくやるが、パルス電磁波により目に電流が走るせいだと考えられる。

ネズミが「神の使い」な訳は?

ネズミは穀類などを盗み取る害獣として忌み嫌われていたが、その反面、福をもたらす存在として神聖視されてもいた。
屋根裏からいなくなることによって地震の前触れを知らせてくれる「地震探知機」という有益な価値が評価されていたのだろうか。
最近の都会では屋根裏でネズミを飼っている(?)家も昔に比べて減ってはきたが、ネズミの害に悩まされている家はまだまだ全国的に多いようだ。


地震の前兆を知らせてくれて命を助けてくれるとすれば、害獣として忌み嫌われてきたこの動物に対する見方が変わるのではないか。
人間は害獣とか益獣とか自分たちの勝手で分類するが、存在価値のない動物など、この世にいないのだろう。

まとめ

  • 大きな地震の4ヶ月~1日前に、集団移動する。
  • 2~3日前に、天井裏などで暴れる。
  • 1ヶ月~1週間前頃に、天井裏などからいなくなる。
  • 人が近くにいても逃げずに、ぼんやりして人を怖がらなくなることも多い。

【参考文献】

地震の確率―ヘビやネズミは知っている! (Nesco books)

地震の確率―ヘビやネズミは知っている! (Nesco books)

前兆証言1519!―阪神淡路大震災1995年1月17日午前5時46分

前兆証言1519!―阪神淡路大震災1995年1月17日午前5時46分

【関連ブログ記事】

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ラドン濃度グラフ:札幌観測点
ラドン濃度グラフ:市川観測点
ラドン濃度グラフ:広島観測点
『RadGraph - 大気中ラドン濃度グラフ集』より


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