モグラ(土竜)は、トガリネズミ形目に含まれるモグラ科の哺乳類動物の総称だ。
日本には4属7種のモグラ類が棲息し、さらに複数の亜種に分けられる。
7種のうち、コウベモグラを除く6種が日本固有種だ。
日本では、西日本に広く分布するコウベモグラと、東日本のアズマモグラがよく知られている。
【目次】
モグラの習性
地中で生活するモグラは、地震の前兆としての様々な地殻変動に敏感だろうと想像できる。
そして、実際にそうであるらしい。
地下で暮らすモグラを見かけるという機会は、なかなかない。
東京で生まれ育った私は、これまでの人生でモグラを見た記憶はない。
もちろん、モグラが地上に出たときの穴は、近所でもよく見かけるが。
過去の大地震の事例
1805年7月26日にイタリア、モリーゼ州で発生したM6.6のナポリ大地震の前には、モグラが穴から逃げ出したという。
地震の前にモグラの穴をたくさん見かけたというような報告は多い。
力武常次博士が収集した1978年1月14日の伊豆大島近海地震(M7.0)の前兆データでも、モグラの報告が何件かある。
千葉県市川市では、地震の15日前に、モグラが庭で毎日暴れていたという。
静岡県賀茂郡東伊豆町では、1週間前にモグラが庭の木をかじって荒らした。
西伊豆町では、1.5日前にモグラの穴が畑一面に走っていた。
阪神・淡路大震災(1995年)
阪神・淡路大震災(1995年)の「前兆証言1519!」では、いくつかの報告がある。
神戸の北方に位置する兵庫県三田市では、前年秋より、モグラが庭の至る所を掘り歩き、地震後も続いていたという。
この場合、秋からということは3~4ヶ月も前のことなので、本当に神戸地震と関係があるかどうか慎重に検討する必要がある。
だが、地中の動物や虫の場合、大地震の3ヶ月ほど前から異常行動が見られることは、あるようだ。
前年の12月23日には、神戸市の家族が墓地に墓参りに行った時に、墓地中にモグラが動き回った跡が、土が盛り上がっていた。
地震の1週間前には、同じ神戸市で、墓地のあちこちで土が掘り返されていて、墓をもって15年になるが、初めてのことだったという。
モグラの穴ではなく、モグラそのものが目撃された例もある。地震の前日の夕方に愛媛県松山市で、モグラが5匹道路を走っていくのを見た。
その女性は、モグラを見たのは25年ぶりだという。
モグラの穴は、現在の東京でも日常的に見られ、小平市の私の自宅付近でも、よく目にする。
だが、1つか2つのモグラの穴を見たからといって、それだけで地震と結びつけるのは早計だろう。
【参考文献】

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